リーダーになって孤独を感じたことはありませんか?
特に役職がついていないころは、あれこれ業務に関する不満や悩み事も同僚に相談したり出来ていたけど、、、
自分の立場でこんな事言ってはいけない
部下に相談してしまったら、自分が下に見られる(頼りがいがないと思われるのでは)
視点が違うので部下に相談しても意味がない
かと言って自分の上に相談しても、それは「自分の課題」として戻されるのでは
・・・
あーざっくばらんになんでも言えたあの頃(役職付く前)が良かったなー
と。
自分だって大変だし、苦しいんだよー
って言いたいけど言えない。
誰にも何も言えず、孤独を感じてしまう。
いつの間にか誰にも相談できなくなって、精神的におかしくなってしまうこともあります。
(私は実際精神が崩壊し、仕事が手につかなくなりました)
リーダーは何故「孤独」を感じるようになるのか
リーダーや管理職など、役職がついて、一般の社員より立ち位置が上がると、物事を考える視点が変わります。
役割を与えられたことで無意識にそういった考えになる人も入れば、意識的に変えようとする人もいるでしょう。
この「視点が変わる」ということが、孤独を生み出す要因になると思っています。
そもそも、「相談」をしたり「弱音」を吐く相手ってどんな人ですか?
同期や同僚など少なからず自分の立場や状況を理解してくれる、共感してくれる相手を自然と選んでいたりしませんか?
ところが、リーダーや管理職などの役割が付くと同時に、今まで話せていた人たちと視点が変わってしまい、一気に相談し辛い状況になってきます。
今までは気軽に上司への不満とかを言えていたとしても、今度自分がその立場になると、そんな事言えなくなってきます。
(自分が避難される側になっているのですからね)
会社の社員とリーダーなどの役職をピラミッドのように考えると、立場が上になればなるほど
相談可能な同じ視点の人が減っていくのがわかります。
よって相談事ができる相手が減るのは当然のことなのです。
また、同じリーダーの立場だからといって、別のチームのリーダーに気軽に相談出来るかといえば、そこまで普段関わらない(人間関係が希薄、まだ信頼が出来る相手になっていない)場合や、抱えている課題が異なったりしていて、なかなか相談出来ない場合も多いです。
そうやって、誰に相談すればよいのか、自分で解決するしかないと思っているうちに
孤独な状態になり、自分でいろいろ抱え込んで、仕事で大きなミスをしたり、
体調をくずしたり、精神を病んだり、、、してしまうわけです。
リーダーは誰に相談すればいいのか?
リーダーだって1人の人間。弱音を吐いても良い
のです。
ただし、相談、弱音を吐く相手によっていい方、内容は変える必要があります。
上司に相談する場合
そもそも何で上司に相談できなくなっているのでしょうか。
上司の期待に応えたい
上司に駄目なやつだと思われたくない
これは自分が乗り越えるべき課題なんだ
などと、勝手に思い込んでいたりしないでしょうか。
自分の場合は完全にこのタイプでした。
自分の中で、
「リーダーになったのであればこれくらいの課題は自分で解決出来るようにならなきゃ」
と、誰にも言われていないのに、そう思って、ギリギリまで上司に相談できず、
本当に苦しくなった時に
「なんでもっと早く相談しなかったんだ」
と逆に怒られたこともあります。
もし、少しでもこれらの思い込みが当てはまるようであったら、上司が自分に期待していることを直接聞いてみていいと思います。
そうすると、意外な言葉が帰ってくるかも知れません。
とにかく明確にどうあるべきか上司から提示されていないのであれば、
思い込みで自分を追い詰めるのは本当に避けるべき行動です。
今は部下の立場も上司の立場も分かるはず。
自分が部下からこんなふうに相談されると困るなという言い方は避けて
自分の悩んでいること、こうあるべきなのではないかと思っている
という形で、自分の意見として上司に相談ごとをしたり、弱音を素直に吐きましょう。
同僚や部下に相談する場合
同僚に話すなら、信頼のおける人に限って弱音を吐いてしまいましょう。
別の部門や別のチームに居る人が望ましいでしょう。
あなたにライバル心を燃やしている同期や、あなたの上司や部下と仲が良いメンバーは避けたほうが無難です。
相談したり、弱みを見せたことを逆手にあなたに不利益となる事をしてくる可能性があるからです。
また、部下に相談をする場合は注意が必要です。
単純に辛い、やりたくない みたいな弱音は部下には伝えないようにしましょう。
部下との信頼関係に傷が入る可能性があるためです。
部下に弱音を吐くなら、問題の本質がとこにあるのか、それに対して自分がどう考え、対応しているのか、その結果今はうまく行っていない事実があって、みんなにも迷惑かけてるね。
というような、素直なあなたの気持ちや意見と一緒に、解決しようとしてる姿勢は見せなくてはなりません。
部下にも自分は1人の人間だ、完璧ではない
という事を示すのはリーダーシップ上問題ない行動です。
ただ、やり方を間違うと、頼りない、人として尊敬できないということにも
なりかねません。
部下に相談するのは気を使いますが、メリットもあります。
■部下に相談するメリット
- チームが抱える業務内容や課題を把握してくれているためイチから説明する必要がない
- 相談した結果、課題を解決するために一緒に動いてくれる可能性がある
- 相談し、同じ視点に立ってもらって考えてもらうことで、部下の成長にも役立てられる
など。
部下ではあるが、次期リーダー候補と考えているメンバーや今後の成長を期待したい部下であれば悩み事を一緒に考えてもらうことで相手の成長に繋げられる可能性があります。
ただし、相手にまる投げするような形はNGです。
相手の強みを伝えて上げたうえで、この課題を一緒にやることで、ステップアップ出来る事を明確に相手に伝え、相談し、それぞれの役割で出来ることを分担しましょう。
結果、作業の多くを部下に任せるようになったとしても、それは問題ありません。
課題解決のための業務のせいで、部下の通常業務に支障が出るようなら、優先順位を明確に伝えて調整してあげればいいのです。
社内には誰も相談出来ないと思うなら外部の人に相談してみよう
それでもやっぱり、誰にも相談出来ないと思うのであれば、外部の同じ立場だったり、経験者に相談するのがおすすめです。
友人や知り合いにそういった人が入ればもちろん良いのですが、難しければ異業種交流会やリーダーシップに関連するセミナーに参加するなど、同じ課題を抱えそうな人が集まる場所に出向いてみましょう。
外部の人に相談する場合に気をつけたいこと
具体的な仕事の内容(例えば社名だったり、製品名だったり)は言わないことです。
あなたが話したことが思わぬ方向で会社全体の不利益が発生した場合、最悪あなたは会社を辞めざるを得ないことにもなってしまいます。
話すのであればできるだけ一般的な内容に言葉を置き換えて説明するようにしましょう。
例えば、
■NG例(1)
●●会社から発注を受けているが、いつも金額を叩かれて困っている。
⇒「都内の大手メーカから仕事を受けているのだが・・・」と会社名は伏せる
⇒相談したいことは、そうやって金額を叩かれない様にするにはどんな方法があるか?ということ。
⇒相談したい主旨を明確にし、他の会社で実践していること、成功した例などを聞く
■NG例(2)
部下が●●という制品のプロモーションを担当しているのだが、人任せにばかりしていて、自分で責任を持とうとしないし、いつも口ばかりなんだ
⇒製品名はわざわざ言う必要はない
⇒相談事は部下の教育、成長に関することであるので要点を絞ってそこを相談する
⇒どうしてももう少し具体的に説明したい場合は、ターゲット層や市場規模など一派的に公表されているような情報で説明する
など。
外部の人に相談することの一番のメリットは
「自分の会社以外のやり方を参考に出来る」
ということです。
いつの間にか周りにいる先輩や上司、会社の文化で形成された「やり方」が当たり前になってしまっていて、その概念だけで考えようとすると、解決できないだけで、視点を変えればすぐに解決出来てしまうことも多いです。
(新しいやり方を嫌うような会社であれば、それを知ったところでなかなか大きな改変は出来ないですが、チームの意識を変えるためには利用出来る場合もあります)
相談した結果、自分の会社やチームに適用できるかどうかよりも、
誰かに相談出来た、共感してもらえた
ということが重要で、孤独になっていた心は安らぐと思います。
まとめ
リーダーが孤独になるのは、会社の仕組み上、しょうがないところがあります。
ただそのままにしておくと、せっかく昇進したのに、苦し思いだけになってしまうことにもなりかねません。
部下から相談される立場になり、自分以外のことを考え無くてはならない事が多くなるからこそ、自分のために、日頃から信頼できる人を作る努力をしつつ、相談出来る環境を作ることもリーダーになった人には大切なことだと思います。